想像が生み出すもの

 クリスマスも終わって、もういよいよ今年もカウントダウンが始まりましたね。クリスマスはいかがでしたか?僕も3度目のサンタさんになりましたが、毎年、子どものいろんな反応が見られておもしろいです。


 今年はお風呂に入って寝ようとしたところ、娘は突然、「サンタさん、のど乾いてるかもしれないから」と言って、テーブルの上にお茶とクッキーを用意して寝ました。もちろん、そのお茶とクッキーはサンタさんがしっかり食べましたが(笑)、そんなことまで想像できるようになったかと思うと、本当に子どもの成長は早いものです。ちなみに、今日のいいとも!に出ていたマルモのおきて鈴木福くんは、サンタさんにホッカイロを用意しておいたそうです。優しいですね。


 ところで、このサンタクロースが子どもたちにプレゼントを届けてくれるという文化は本当にスケールの大きい想像文化ですよね(起源は4世紀頃らしいですが、そこから紆余曲折あって、現在のような形になったらしいです)。大人たちが、子どもたち皆に想像の世界を作り上げて、子どもたちはそれを素直に信じる。正に人間だからこそ実現する素晴らしい文化だと思います。


 一方、このサンタクロースがプレゼントを届けてくれる“現実”を、子どもたちもいずれ知ることになります。僕は親が出張中のクリスマスに、押入れにしまってあったプレゼントを発見してしまって現実を知った記憶がありますが(笑)、うすうす気づきながら、どこかのタイミングで、「ああ、やっぱりか!」と気づくわけです。


 さて、想像と現実、あるいは理想と現実の対比は、よく言われることです。Appleの故スティーブ・ジョブズ氏のように、想像が創造を生み出し、人々の心を動かすことがあります。しかし、皆がジョブズのように発想できるわけではなく、現実を知らずに想像や理想ばかりを語る人は、時に机上の空論と揶揄されることもあるでしょう。


 一方、現実から着想する人もいます。現状の課題から徹底的にリサーチして、それにパッチを当てるような組み立て方をする人たちです。こう人たちは、現実路線を突き進みますから、大失敗は無いかもしれませんが、一方でジョブズのような人の心を動かすような経験は、なかなかできないかもしれません。


 サンタクロースを信じる子どもたちといい、ジョブズといい、想像がつくり上げる世界はとても大きなものです。人々に夢や希望も与えられるでしょう。でもそれは、よく考えてみれば子どもたちやジョブズの頭の中にあったことを具現化したものでもあります。


 もちろん、想像で創造をするのも、現実路線を突き進むのも、どちらが良いということではありません。ただ、やはり現実とのバランスを取りながらも、想像する力、理想を現実化する力を大事にしていきたいですし、想像するという人間だからこその行為の大切さと凄さを、今回のクリスマスでも、今年の仕事の中でも再認識させられた気がします。来年のクリスマスも楽しみですね。