整理の本質

 先々週くらいまで、日経新聞の土曜日に付属されいている「プラス1」に佐藤可士和さんが連載をしていましたが、皆さんはご覧になりましたか?佐藤さんは『佐藤可士和の超整理術』という本を書いていらっしゃるくらい、この分野でもプロフェッショナルで、今回の日経での連載もこの整理に関するお話でした。


佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)


 そして、私も毎週土曜日にこの連載を読んでいたのですが、その中で下記の言葉がとても印象に残ったので、こちらで紹介させていただきたいと思います。


それは、“整理の本質は判断力を磨くこと”という言葉。


 これには「ああ、なるほどなあ」と唸ってしまったのですが、たしかにそうですよね。必要か必要でないかの判断、必要であるならばどこにどのように配置すべきかの判断、整理をするということの全ては、この“判断”の連続であることに気付かされます。先日、僕の会社では、あるプロジェクトで社内の文書量を削減するという試みがあったのですが、皆さんの会社にもいますよね、机の上に書類が山積みで、削減するということになっても、なかなかきっぱり捨てられない人。


 このプロジェクトは、佐藤さんの記事を読んだ後だったので、「こういうところにも、判断力の有無が表れるんだなあ」と、周りの人たちが整理する様子を興味深く見ていました。普段から、机の上や足元が書類で埋め尽くされている人、そういう人が組織のマネージャーだったりすると、その組織にいる人は、ある意味悲惨なのかもしれませんね(笑)マネージャーやリーダーの判断力、それはその人の机を見れば一目瞭然だった。なんとも恐ろしいことです。


 皆さんも、自分の上司の机と上司の普段の姿を照らし合わせてみてください。きっと、高い確率で机の状況と一致すると思います。そういう意味では、真面目な話、上長を選ぶ一つの基準に、身の回りがどれだけ整理できているかどうかを一つの指標として取り入れても良いかもしれませんね(笑)


 ちなみに、思い起こせば、僕が新卒で入った会社はフリーアドレスで、モノを収納するために社員個々人に与えられていたスペースは、高さ10センチほどの書類トレイ一つだけでした。しかも、社員全員が毎朝15分間、各自決められた場所を清掃し、月に一回は社内の各所の整理整頓やキレイさの具合を点検するということもありました。そして、その点検時には、先の各自に割り振られているトレイの中は空にしなければならないということで、本当に普段から書類やモノはためておけない仕組みになっていました。


 これは今の職場環境から考えると、結構大変そうに感じるんですが、当時やっている頃は、さほど大変には感じていなかったんですよね。むしろ、そういうオフィスのほうが明らかに生産性も高いですし、気持ちも良い。やっぱり、佐藤さんが仰るように、きれいなオフィスは生産性もクリエイティビティも上がるのではないかと、僕も実感として感じています。


 もうすぐ年末ですから、多くの皆さんが職場でも家庭でも大掃除に取り組まれることと思います。その際には、これは判断力を磨く訓練だと思って大掃除をすると、単に職場や部屋がキレイになる以上の効果を得られるかもしれません。掃除で迷った際の合言葉は、「迷ったら捨てる」です!