人間関係の潤滑油
先日、『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』著者の香取貴信さんの講演を聞いたんですが、その時、香取さんはこんなことを仰っていました。コミュニケーションは、「yes but」ではなく、「yes and」で、と。この「yes but」と「yes and」の話は、よく聞きますよね。
社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! (KOU BUSINESS)
- 作者: 香取貴信
- 出版社/メーカー: こう書房
- 発売日: 2002/05
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ちなみに、「yes but」というのは、「ええ、それは分かります。でも〜」みたいな感じですね。逆に「yes and」は、「そうですね。それに加えて〜するともっと良いですね」とか「そうですね。あとはここを〜すれば万全になると思います」というような感じです。皆さんもこの手の話はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
僕も久しぶりにこういう話を聞いて、こういう基本的なことの大切さを改めて感じたんですが、自分自身を振り返ると、まだまだ「yes but」を使ってしまうようなこともたまにあるなあと思います。やっぱり、人間は基本面倒くさがりですから、ダメな理由とか、できない理由を考えてしまいがちです。でもね、こんなのはある種の癖をつけることができるかどうかだとも思うんですよね。
これは最終的には、脳が「yes but」と思考するか、「yes and」と思考するかということになるんでしょうけど、その思考以前に大事なのは、脳にどっちの言葉を使うかを自動的に選択させてしまうことだと思うんですよね。つまり、もう「yes and」という“言葉”を使う癖を脳に刷り込ませる、この強引とも言える方法が案外大事なんだと思います。よく言いますよね、プラス思考にするには、まずプラスの言葉を使うことが大事、と。それと一緒です。
先日、Facebookで友人がこんなことを言っていました。
『自分の行動は、例えば無意識でも影響をあたえているっていう話。
目から鱗で、新しい気づきだった。
自分のこの行為は、どんな影響力をあたえているのか、
今日はふと、考えてしまいます。
意識していた行動は、影響をおよぼしてるって分かるけど、
無意識もよくかんがえたら、そうなんだよね。』
これは、正にそうなんですよね。毎日僕らはいろんな言葉や態度をとってるわけですけど、特に言葉の影響は大きくて、自分が発している言葉は、意識、無意識に関係なく、自然と脳に刷り込まれるわけです。例えば、こんなのどうでしょう。
『次の○○に当てはまる言葉をお答えください!』
(1)「タンスに〇〇」
(2)「マチのほっとステーション○ー〇〇」
(3)「お口の恋人○ッ○」
たぶん、みんな即座に「ゴン!」、「ローソン!」、「ロッテ!」と答えが出ますよね。かといって、皆さんこれを意識して覚えたわけではないと思います。そう、何度も何度もCMを聞く中で、無意識に勝手に脳にインプットされているわけです。掛け算の九九なんかもそうですよ。「しちく=ろくじゅうさん!」というのも、頭の中で計算しているというより、もう言葉として脳にインプットされている状態に近いと思います。
とまあ、そんなわけで、どんな言葉を発するかで、脳の状態や思考、それに伴う行動はガラリと変わります。なので、どういう言葉を選ぶかはとっても大事なんですよね。そして、冒頭の「yes but」と「yes and」の話。ダメな理由、できない理由、できるかどうかを考えるのではなく、まず「yes and」を発する癖をつける。そして、考えるのであれば、そもそもやるべきことなのか、やらないべきことなのかを考えたり、やるべきことであれば、やらなければならない理由を考えたりすることが大事なんだと思います。
僕も、先日の講演を聞いて以降、また自分の言動や行動に改めて注意を払うように意識しています。でも、それだけでだいぶ気持ちもプラスになりますし(僕はもともとプラス思考ですけどw)、何より周りの関わる人が変わりますよね。プラスな言葉や行動は、きっと人間関係の潤滑油になってくれるんだと思いますよ。