明確だからこそシンプルになる

 自分の中で整理できていないことを他の人に説明しようとすると、僕らはそのことに関して現時点で分かっていること、推測、希望、全部ごちゃ混ぜにして、とにかく情報量を増やそうとしたりします。でも、情報量が多いことと、相手の理解度は必ずしも比例しません。むしろ、情報量が多いということは、分かりづらさを生むケースが多いように思います。

 

 

 飲食店のメニューでごちゃごちゃたくさん書いてあるけど、結局その店は何が売りで、何がお薦めなのかさっぱり分からない。Webサイトで情報量満載だけど、結局、ユーザーが探したかった目的のページには辿り着かない。ごちゃごちゃしているというのは、情報量が多いから良いようにも思えますが、分かりづらいことの方が多いものなのです。

 

 

 それとは反対に、自分や自分たち、自社の中で、他の人に伝えようとすることが整理されて明確になっていれば、発せられるメッセージは極めてシンプルです。そのブランドを一言で表すべくコピーライターが考え抜いたコピーはシンプルそのものですけど、そのシンプルさの中に、そのブランドに秘められた様々なことがにじみ出ていますよね。

 

 

 明確だからこそシンプルになる。明確で無いから、あれもこれもと情報満載になり、ごちゃごちゃする。あるブランドプロデューサーの話を聞いて、そんなことを考えていました。ということで、今日はシンプルにこの辺で終わりにしましょう。