説明責任と思考

 昨日は節分でしたね。皆さんもご家庭で豆まきをしましたでしょうか。我が家でも娘と豆まきをしました。そして、昨夜、娘と布団に入りながら、「今日は節分で豆まきをしたけど、節分って知ってる?節分はね・・・」みたいな会話をしたわけです。


 昨日もそうですが、子どもが生まれて言葉が分かるようになってくると、いろいろと説明する機会が格段に増えます。節分のように、自分が予め知っていて簡単に説明できるものなら良いのですが、いつ何時自分が知らないことを聞かれるか分かりません(笑)また、自分がこれまで何となく上っ面を知って受け流してきたことも、自分のためにも、娘のためにも調べるようになりました。理解するのはもちろん、説明するために調べるわけです。


 企業運営でも、社長、あるいは社員が、自分の会社のいろんなことについて説明する機会が急に増えるタイミングがあります。それは、企業が組織化をし始めるタイミング、もっと言うと、新卒採用をし始めるタイミングです。新卒採用は、企業が組織化をするにあたり、有効な手段の一つなわけですが、新卒採用をするとなると、社長はじめ、これまで在籍している社員は結構大変です。


 なぜなら、採用段階でも、入社してからも、「自社はこういう理念に基づいて、云々・・・」、「そもそも当社の経営理念は、こういう思想から・・・」、「僕はこういうことがやりたくてこの会社に入って・・・」というように、自社のことや自分の考えについて説明をする機会が確実に増えるためです。これまで、そんなこと考えたこともなかったのに、です。しかも、優秀な学生ほど、「これは何でこうなのですか?」と聞いてきます。


 そうする中で、自社の創業当初の想い、これまでの成長過程、そしてこれから進むべき方向性を、社長はじめ既存社員が改めて考え、今度は受け流すのではなく、しっかりと受け止めて事業に当たっていくわけです。そうして、新卒の社員からもいい刺激をもらいながら、会社はまた少しずつ成長していく。新卒採用を始めると、組織の中にそんな変化が起きていくのです。


 このように、僕たちは説明責任が生じると、その説明する対象について深く学ぶようになります。“責任”というと、「しなければならない」と後ろ向きに捉えてしまいがちですが、ぜひこの説明責任を自分の思考を深くする機会とポジティブに考えて、いろんなことを深く追求してみたり、自分の考えを改めて振り返ってみたりするのも良いかもしれませんね。子どもから学ぶことは、本当に多いです。