営業員と営業アシスタントの息

 仕事をする上でも、リズムって案外大事ですよね。先日、ある営業の方と話す機会があったんですが、こんな話をしていました。それは、営業員と営業アシスタントの仕事のリズムの話。営業アシスタントというのは、見積の作成だったり、業務処理だったり、いわゆる営業の顧客対応以外の処理業務をなど行って、営業員をサポートしてくれる方ですけど、今は結構こういう体制を敷いている企業も多いですよね。


 こうした体制を敷く企業では、営業員と営業アシスタントがお互いに協力しあって、より効率良く、そしてしっかりと顧客対応していくことが望ましい訳ですが、なかなかそうもいかない場合も少なくないようです。簡単に言えば、営業アシスタントが営業員のリズムを狂わせてしまうケースがあるらしいんです。


 もちろん、職務的に上下は無いと僕は思いますが、営業員の仕事というのは、お客様との直接的なやり取りになるため、どうしてもお客様に合わせた仕事になりがちです。そんな中で、営業員としてはお客様に合わせながらも、主導権を持って自らのリズムでやっていきたいんですよね。


 ですから、営業員としては、営業アシスタントに対して、この業務処理をこのタイミングでお願いして、この時間までにきっちり済ませてもらって、この時間には営業に出掛けていく。そして、まず一つ仕事を済ませて、また次の仕事へというように、リズムよくやっていきたいわけです。そして、リズムが良くなってくれば、営業員は気持ちも乗ってきますから、どんどん躍動的になる。そして、それが顧客の求めるものと合致すれば、結果も出やすくなるという良いスパイラルがあるんですね。


 ところが、これが営業アシスタントに仕事をお願いした段階で、営業アシスタントがなかなかやってくれない。目の前のお客様対応には関係のない業務処理に後回しにされてしまっている。そうなると、営業員のリズムは完全にストップさせられてしまうわけです。もちろん、営業アシスタントの行っている業務処理が大事な仕事でないわけではありません。しかし、営業アシスタントとしては、もっと先にやるべきことはあるわけですよね。


 結局こういうのは、誰のために仕事をしているのか、何のために仕事をしているのか、という話に行き着きます。役割は違えど、チームは何らかの目的に向かって進んでいくわけで、その目的に向かって、いつもベクトルは同じでなければ上手くはいきませんよね。そしてこの場合には、例えば、それはお客様に対して会社としてどれだけ価値のある対応をできるかということだったりするわけです。


 そういう目的があった時に、営業員と営業アシスタントのベクトルがずれていたら、顧客に対してきちんとした対応などできるわけがありませんし、結果として現れてくる業績も、決して良いものにはならない可能性が高いと思います。


 “仕事は親切”とか、“仕事は後工程のことを常に考えて仕事をする”とか言われますが、そういう姿勢はぜひ分かち合って仕事をしたいですよね。お客様のために一丸となって仕事に取り組める企業が、お客様から愛されるわけですから、そのためには、組織としてベストパフォーマンスを出せる関係と仕組みと意識を持つことが大切なんだと思います。