人間は忘れっぽいということを覚えておくこと

 突然ですが、皆さんは、3日前の夕食に何を食べたか覚えてますか?3日前に自分が着ていた服を覚えていますか?3日前に会った人が着ていた服を覚えていますか?前に、テレビの番組でタレントの草野仁さんが、7日前の夕食まで覚えていてスゴイなあと思いましたが、多くの人は結構覚えていないものですよね。


 夕食だって、別に美味しくなかったから覚えていないわけでもありませんし、会った人だって、嫌いな人だから覚えていないわけでもありません。奥さんが心を込めて作ってくれた美味しい料理だって、尊敬している人の服だって、忘れてしまう時は忘れてしまうものなのです。


 でも、この人間の脳が覚えていることと覚えていないことの線引きって、いったいどのようになされているんでしょうね。僕は、脳の専門家ではありませんし、そこまで詳しくもないので分かりませんが、覚えておかなければならないことでさえ忘れてしまう時もありますし、どうでも良いことを覚えていたりもするので、何とも不思議なものです。


 こう考えると、人間はとっても忘れっぽい生き物だということが分かりますよね。ほとんどのことは忘れていて、印象に残り続けることは、入ってくる情報のごく僅かなわけですから。ですから、本当に頭に留めておくべきことは、繰り返し思い出して定着させるようにしていかなければなりませんし(何度も反復させることで脳に定着すると聞いたことがあります)、そもそも数多くの情報の中で、何を記憶に留めさせるのかを選別することも大事なことだと言えるのではないでしょうか。


 そういう意味では、企業等においては、お客様のそのごく僅かな記憶の片隅に印象づけるようなアプローチをすることが重要ですし、心理だけでなく、脳の研究もとても大事なことなんだろうなと思います。最近、僕も脳科学の本を読む機会もありましたが、脳の構造が分かると、結構おもしろいものですよね。脳科学の研究が進めば進むほど、マーケティングの世界なんかでも、これからますます脳科学を意識したアプローチが必要になってくるのではないかと思いました。


 余談ですけど、この人間の忘れっぽさを考えると、何かの事件の目撃証言なんて、どこまで信ぴょう性があるのかなと思っちゃいますよね。先日、布川事件の無罪判決なんかもありましたし。まあ、余談ですので、深入りせずに、ここで終わりますけどね。兎にも角にも、脳は奥深いですし、人間は忘れっぽいので、その辺りもしっかり理解して情報の出し入れをしなきゃならんですな、という話でした。