のめり込むことが人生を豊かにする

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 先日、会社の同僚と食事をする機会があった。彼との食事は今回で2回目。同僚と言っても、仕事上そんなに関わりがあるわけではないので、食事をする機会はそうはない。でも、お互いにウマが合うというか、一緒に時を過ごしても楽しい仲である。


 そんな彼と、先日の食事の中で野球の話になった。彼は根っからの野球少年で、今も会社の野球チームで投手をやっているらしい。僕も、野球少年。また一つの共通項が見つかって、話に花が咲いたのであった。


 ところで、僕は社会人になっていろんな人に会っても、どうも野球をやっていたようには見られない。風貌も体格も野球にそぐわなそうな、そんな人間というわけだ。しかし、そんな僕も野球は大好きで、大学の卒論も高校野球について書いたぐらいである。


 大学時代は、野球の技術的なことから、文化論まで幅広く研究したものだ。研究と言っても、僕にとっての高校野球なんて趣味同然であり、研究をしているなんていう感覚ではなく、趣味に極めて楽しみながらのめり込んでいたに過ぎない。


 そんな中で研究した技術理論を、彼が高校時代に実践していたという話を聞いたり、今のプロ野球や大リーグ、高校野球について語ったりしているうちに、あっという間に時間は過ぎたのであった。


 高校野球といえば、今年の選抜ほどかき消されてしまった大会は近年見当たらない。それは、未曽有の災害の中での開催だったのでやむを得ないことではあるが、そもそも開催されたというだけで良かったのではないだろうか。それは、高校球児にとっても、被災者にとってもである。


 残念ながら、地元の東北高校は1回戦で敗れてしまったが、彼らのプレー、また他の全国の高校球児のプレーは、被災者に少なからず元気を与えてくれたはずである。東北の球児は、夏の大会への準備も非常に難しいところであろうが、自分自身の夢に向かって全力で歩んでいってほしい。被災者のためと下手に考えるのではなく、自分の夢のためにである。その夢を必死に追い求める姿に、周りの人間も大きな力をもらえると思うからだ。


 一方、プロ野球も、被災地の地元楽天や、万年再開の横浜が、これまでのところ良い戦いを見せている。横浜の活躍は、セ・リーグを大いに盛り上げるし、楽天に対する東北人の期待は、今年は相当なものである。これで、もし楽天が日本一に輝いたら、東北の人々もとても元気をもらえるだろうし、世の中を渡り歩くのが上手い(野村・元楽天監督談w)星野監督は、また名監督として、名声を上げることだろう。


 とまあ、今となっては普段も野球の話なんて滅多にしない中で、久しぶりに中身の濃い野球の話をして、何か野球の良さや楽しさを思い出したし、また野球がやりたくなった。対象が何であっても、のめり込むことは良いことだ。のめり込んだだけ、人生の経験は豊かになるし、それによる人との出会いや話にも花が咲く。僕も、これからもっといろんなことにのめり込んでみたい。それが僕の人生を豊かにするし、新しい出会いにも繋がるし、人間的な成長にも繋がる。今の僕に足りないのは、正にそういうところである。そんなことを、野球はまた一人の人間を通じて、僕に教えてくれたのであった。


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