Twitterで15回のダイアローグをやってみて


Twitter「つぶやく」ボタン


 ここのところ日本でもキャズムを超えたと言われるツイッター。とは言っても、使い方に関しては、企業はもちろん、個人においてもまだまだ未知なところがあって、こちらはまだまだ発展途上というところだと思います。


 そんな中、一応私が主催者という形で、4月の上旬から2ヶ月にわたり、ツイッターを使って百貨店を題材としたダイアローグをやってみました。やってみたというのも、私自身、それまでこういうビジネスの話題においてのツイッター上のダイアローグは見たことがなく、試験的、実験的という意味合いも多少はありました。


 もっとも、ツイッター上には、広瀬香美さんが主催する「#kohmitweet」という大々的なイベントはありますが、あれはビジネス的要素はなく、有名人がホストということもありますので、我々一般人がやるにはあまり参考にはなりません。


 ちなみに、「#kohmitweet」はこちら→ ハッシュタグ #kohmitweet - hashtagsjp


 で、まあ、とりあえずやってみたのです。→ ハッシュタグ #oabl - hashtagsjp


 そして、以下は最新のダイアローグの様子。前回で15回目。参加者の方のツイートにもありましたが、もう連ドラの回数を軽く超えています(笑)で、まだ終了はしていなくて、もう少し続くかと思います。(と言っても、間もなく終わるはずですw)
























































































































































































顧客基点で見る百貨店業界の現状とあるべき姿Vol.15 - Togetter


 しかし、始まる前に、こんな15回もの回数を積み重ねるとは予想していませんでしたし、こんなにも多くの参加者が集まり、盛り上がりを見せるとも予想していませんでした。良い意味で予想を裏切ってくれたのです。


 そして、こうした壮大な(そんな大げさなものではないけど)ダイアローグをやってみると、ツイッターのダイナミズムを強く感じます。140文字の制限の中で、参加者個人が、顧客としての視点、ビジネスマンとしての視点、マーケターとしての視点、あるいは、ひらめきや思いつき。いろんな角度からツイートが集まる。


 そして、誰かのツイートに、別な誰かが飛びつき、そこの深堀りが始まる。参加者も、仕事ではないので、毎回来る人もいれば、たまに参加する人もいる。そして、毎回新たな人が参加してくる。こうした、リアルでは全くの赤の他人同士が、深夜の僅か2〜3時間の間に、集合しては、離散していく。そうした中で、知がどんどん形成されていく。そんなダイナミズムを、この15回のダイアローグをやる度に感じていました。


 ツイッターは、やられている方はよくご存知の通り、気軽に、簡単につぶやけるツールです。アウトプットへのハードルが、ブログ等に比べると、格段に低い。そして、そのアウトプットをもとに、気軽に他人のコミュニケーションを取ることもできるわけです。


 そうなると、今回開催したダイアローグの様に、何かテーマを設定して、それについてブレストの様にダイアローグできる場と、それを“ゆる〜く”ファシリテートする人がいれば、かなりの知が形成されるのではないか。そんな印象を強く持ちました。


 ちなみに、この“ゆる〜い”ファシリテートというのは、結構ポイントだと思います。もちろん、ファシリテートをしっかり行って、その深夜の2〜3時間という限られた時間をどう使うか、帰結点はどうするか、みたいなことを考えることは、想定するダイアローグのゴールに近づけるにはとても重要なことです。


 しかしその反面、これをしっかり行うということは、ツイッターの良さでもある、気軽さや自由さが奪われて、かなり窮屈なダイアローグになることは間違いありません。限定すれば、可能性は狭まるのは当然のことで、想定するダイアローグのゴールには近づけるかもしれませんが、その想定に近づくことが果たして良いことなのかということには疑問が残ります。ファシリテートをきっちりして、議論やツイートを限定し、想定されたゴールに持っていくというのは、主催者のエゴ、自己満にしかならないのではないか、という風にも思います。


 そんな考えもあり、私もこの15回、ゆる〜いファシリテートを心掛けてきました。その結果、毎回活発なツイートが集まり、そこら中で対話が生まれ、そして、全く想定しないゴールにたどり着いたり、予想以上に議論が膨らんだりと、とにかく想定外のことがたくさん起こりました。


 でも、その中から、テーマのキーポイントとなるような考えもしっかりと生まれる。自分の脳で考えていることを簡単にアウトプットできる場があって、そこに集まるツイートが、めまぐるしく融合する。ネットの登場で集合知ということが言われるようになりましたが、私たちが身近で、かつ双方向で、この集合知の威力を感じるとすれば、このツイッターは、活用の仕方によってはとても有効なツールに成り得ると改めて感じました。


 もちろん、ツイッターなんてものはツールに過ぎませんし、世の中が騒ぐほど、ツイッターに過信すべきではないと思います。ただ、上手く使いこなすことができれば、少なくともこれまでの我々に、プラスアルファをもたらしてくれるのではないかと思います。


 ツイッターをどう利活用するかは、まだまだ発展途上です。これから、もっと価値のある使い方も生まれてくることでしょう。特徴、良さを潰さずにどのように活かすか。ツールを操る我々が知恵を働かせて、ツールの恩恵を存分に受けられるようにしたいものです。


Twitter「つぶやく」ボタン このエントリーをはてなブックマークに追加