これからの日本企業に必要なのは専門性か、忠誠心か

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 昨日から今日にかけて、ある方とツイッター上で、ダイアローグをした。テーマは、日本企業の人材育成について(下記がその模様をまとめたものです)。


























これからの日本企業に必要なものは専門性か、それとも忠誠心か - Togetter

 日本企業は採用の際、総合職、一般職というな分け方で募集をかけているのは、皆様ご承知のとおりです。企業によって、その内容は様々かと思いますが、基本的には、総合職はあらゆる職種、勤務地を異動する可能性があり、一般職は事務や定型的な仕事、営業のアシスタント的な職で転居を伴うような異動は無いのが一般的かと思います。


 そして、企業の組織の上にいく可能性が高いのが、この総合職。これが、今の多くの日本企業の実態ではないかと思います。昨日は、日本企業のこの総合職という職、人材の育て方ということに関して、ツイッターでダイアローグになったわけです。


 日本企業は、これまで終身雇用の雇用形態であり、それ故、一部の職種を除いては、専門的スキルを高めることよりも、様々な職種を広く経験し、自社を知り尽くし、自社の人脈を構築していくことが推奨されてきました。そして、こうした部分に長けた人材が組織の上に上り詰めるというのが世の常だったとわけです。


 しかし、日本企業のこれからを考えたとき、こうした人材育成の仕組みというのはいかがなものなのでしょうか。


 総合職として、様々な職種を渡り歩く。このことが意味していることというのは、様々な職種を経験し、社内のいろいろな仕組みは分かるようになりますが、しかし、それは広く浅くなのであり、そうした中では、専門的なスキルなど身に付きようがないということなんですね。


 そして、その専門性無くして、企業内総合職として育てられた人材はどうなるか。それは、企業内のことに関しては精通しているでしょうけど、一歩外に出たら、全く使えない。つまり、通用するのは自社だけで、他社では全く通用しない人間しか育たないというわけです。


 特に、今の時代は、景気も不安定ですし、企業間の競争もどんどん激しくなってきています。ある日、突然のリストラ、倒産、なんていうことも珍しいことではありません。そうなった時に、個人の中にどこでも通用するような専門的スキルが無かったらどうなるのでしょうか。路頭に迷うほかないのは目に見えています。


 そして、それに加えて、このグローバル競争です。海外に目を向けてみると、専門性を育む教育体制、風土がしっかりと根づいています。日本は、転職することを良しとしない風潮が強いですし、企業もあまり勧められたものではないというのが実態でしょう。


 しかし、海外、特にアメリカや中国などでは転職など当たり前の事ですし、転職する度に専門的スキルと経験が上がり優遇されることが多いわけです。こうして、専門家集団を揃えた海外企業と、ジョブローテーションを繰り返すだけの企業内総合職集団の日本企業が、グローバルな競争をしたらどうなるか。そんなことは、勝負する前から勝敗が分かり切っているのです。


 先日、ある方のブログかツイッターのつぶやきを見ていてビックリしました。少し前に、日本の主要電機メーカー9社(8社?)が総じて黒字を出したと新聞に載っていました。しかし、その9社の利益を合計しても、韓国のサムスン1社の利益にも満たないんだそうですよ。ビックリしてしましたよ、その事実に。


 専門家を育てるのか、総合職を育てるのかには、議論があるでしょう。日本企業は、以前として年功序列、終身雇用の風潮が強いですから、忠誠心が大切だというご意見もあるでしょう。


 もちろん、組織運営上、忠誠心、意思の統一というのは大事なことです。それは、その通りであり、日本企業の良さの一つでもあるでしょう。しかし、今は、国内だけで競争をしていて、企業経営が成り立つ時代ではなくなってきています。これからその流れは、ますます加速することでしょう。


 そうしたグローバルな競争に放り込まれたとき、今のままでは、多くの日本企業は勝ち目が無いのではないかと思うのです。もちろん、企業がそういう風土になっていなくとも、個人的に、専門性の重要さに気づき、努力をしている方はたくさんいらっしゃいます。しかし、たくさんと言っても、それはごく一部なのです。


 個人の努力ではなく、日本企業が、日本社会が国を上げてそういう体制にしていかなければ、はっきり言ってグローバル競争では勝てないですよ。後手後手に回るのが、日本の良くないところです。気づいたなら、気づき始めたなら、今こそ体制をシフトすべきだと思いますけどね。皆様はどうお考えでしょうか?


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